今回の講演会(1月31日、2月1日)では商品価格が長期的上昇に転じたとし、金と原油の目標値について大胆な予測をされました。 |
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20年におよぶ商品市場の弱気相場がようやく終焉し、今後、商品価格は大きく上昇するとみています。この10年間で、金価格は1オンス当たり1000ドルを超え、原油価格は50?100ドルに上昇する可能性があるでしょう。もちろん、どこまで上昇するか、正確には誰にも分かりません。短期的な変動もあります。商品市場と中国株市場は現在、過熱気味ですから、ヘッジファンドの利食いによる修正が向こう3カ月であるでしょう。しかし、長期的には多くの人が予想する以上に金価格や商品価格は上昇すると思います。
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修正が向こう3カ月にあると予測されるのはどうしてですか? |
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3カ月とは「短期的」という意味。実際には2カ月後かもしれないし、6週間後、10日間後かもしれません。
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金価格上昇の理由は? |
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1980年、ダウジョーンズ工業株価平均(NYダウ)が1000ドル程度のとき、金価格は850ドルでした。金1オンスで1NYダウが買えるような状況です。しかし、金価格は3年前に250ドルまで下落し、一方でNYダウは1万ドル。金40オンスで1NYダウをやっと買えるという状態です。80年はNYダウが金に比べて割安だったのに対し、2001年は金がNYダウに比べて割安だったわけです。また金の供給は年間2500トンにすぎず、400億ドル程度です。一方、紙幣は02年に2.3兆ドルが供給されました。金と比較して大量の紙幣が供給されたことから、金の価値は今後上昇すると思います。銀も同じ理由です。
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原油価格上昇の理由は。 |
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94年、中国は石油輸入国に転じました。工業化で生活水準が向上、エネルギーの消費量が伸びたためです。日本の場合、50?70年代前半までに、一人あたりの石油の消費量が1バレルから17バレルに伸びています。韓国でも、65?90年までの工業化の期間に、1バレルから17バレルまで伸びました。ところが中国の一人当たりの石油消費は、まだ1バレル。つまり、中国がこれから工業化し続けるのであれば、石油の消費は急増すると考えられます。事実、過去7年間で中国の石油消費量は倍増し、輸入量は急増しました。
これは中国だけでなく、他のアジア諸国にも言えます。人口36億のアジアは現在、一日2000万バレルの石油を消費しています。人口2億8000万の米国は一日2200万バレルです。従って、米国の一人あたりの石油消費量は、アジアの一人あたりの10倍以上となります。
米国の水準まで行かないにしても、この10年間でアジアの一日の需要は、2000万バレルから3500万、4000万、5000万バレルに簡単に上昇するでしょう。南米の一人当たりの年間消費量は、アジアの2倍以上です。一方、現在の世界の石油生産量は一日7800万バレルですから、アジアの需要が将来の原油価格に大きく影響すると考えられます。しかも、世界の石油埋蔵量は減少傾向にあります。米国内の石油生産量は70年代から減少していますし、北海でもそうです。中東はまだはっきりわかりませんが、今まで考えられていたほどの埋蔵量はないかも。石油は無限にありませんし、生産された石油は消費され、消えてしまいます。サウジアラビアなど中東の政治状況も不安定です。将来的に原油価格は下落すると言うよりも、上昇すると考えられます
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ほかに注目している商品市場は? |
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砂糖、小麦、トウモロコシ、大豆、コーヒーなどです。中国の需要増加は他にも当てはまります。原材料だけでなく、食料も大量に輸入しなければならない。中国の食料生産が減少しているからです。コーヒー価格は今、非常に落ち込んでいます。あまりにも落ち込んでいるため、ブラジルの農家はコーヒーの樹を切って、価格が上昇している大豆の生産に切り替えているほどです。しかし、ゆくゆくは日本、韓国、そして台湾のように、中国もコーヒーを愛飲するようになると思います。長期的に非常におもしろい商品でしょう。
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アジア、特に中国とインドの有望性を強調されていました。 |
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米国が19世紀に農産物の供給者として世界経済に参入したように、今、中国やインドがグローバル経済に参入しています。中国は製造業で、インドはサービスを提供する国として。
90年以降、中国の工業化は急速に進み、港湾、空港、法制度などのインフラも整備されました。特に中国人民元を切り上げた94年以降は競争力を強めています。その結果、米国では中国からの輸入が増加し、他国からの輸入が減りました。90年代に中国が主要な工業国となり、他の国を押し退けてしまったわけです。中国との競争による貿易収支の悪化が、97年のアジア危機の大きな理由の一つとなりました。
しかし、中国への製造拠点シフトは今後も続きます。中国の給与水準は台湾や韓国の約7%、日米欧の3%ぐらい。人民元で50%の大幅な切り上げがあっても、米国の給与水準の5?6%にすぎません。製造が再び米欧に戻る可能性はないでしょう。中国は「世界の工場」になると思います。また、インドはトレーダブル(貿易可能な)サービスに参入しています。トレーダブルとは、ある国から別の国へ輸出できるサービスです。コールセンター、ハイテク、IT、研究所などがインドに移転するでしょう。インドの教育水準は高く、50万人が技術系大学に通っています。意欲もあり勤勉です
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中国の成長は、他のアジアの輸出国に脅威なのでは? |
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中国の門戸開放は当初、輸出国に否定的に考えられていました。しかし、工業化につれ中国の生活水準も向上し、中国も大きな顧客となってきています。事実、昨年の中国……(中略)
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米国投資には消極的な意見でした。 |
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是正されなければならない不均衡が幾つかあります。米国の信用拡大はその一つ。……(中略)
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米国経済の長期的低迷にかかわらず、中国やアジア新興国の経済は継続的に伸びるのでしょうか? |
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20世紀はまだ誰もが英国の経済指標をみていたと思いますが、今は英国の新規住宅着工数などを誰も気にしていない。現在、米国の経済指標が注目されているように10年後、20年後には誰もが中国の経済指標に注目するようになると思います。
明日、米国がアジアからの輸出は受け入れないと宣言したとしましょう。……(中略)
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中国の製造業が台頭し、商品価格が上昇し、米国株が下落すれば、日本株には三重苦となるのでは? |
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日本企業が国内の製造拠点を閉鎖し、中国に移転すれば、日本の経済全体、そして雇用状況にもマイナスです。しかし、それは日本株が上昇しないという意味ではない。……(中略)
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日本国債は弱気ですか? |
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日本の長期国債市場は昨年6月にピークに達し、長期金利は上昇すると思います。参考となるのが米国の長期金利です。……(中略)
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日本の地価はどうでしょう? |
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日本の地価は底入れしたと思います。しかし、相対的に考えれば魅力は感じません。価値が10倍になる土地は日本よりも……(中略)
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他に注目されるセクターは? |
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観光、スポーツ、娯楽、ヘルスケア、保険、銀行業がアジアで急激に成長し、将来的に重要かつ大きなセクターになると思います。ただし、……(以下略)
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【取材】世良敬明
【取材協力】パンローリング(株)
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